SONYの1991年2月のカタログより

現在短波ラジオを販売している日本の家電メーカーでは実質的に唯一の会社となった同社ですが、かつての海外放送ブームの時期、さらにはそれ以前から短波ラ ジオを積極的に製造していたメーカーでもあります。
さすがに海外放送が受信できるラジオでは、この時点からの現行機種はありませんが、ラジオたんぱ(ラジオNIKKEI)専用ラジオの中には現在でも継続生 産している機種があります。
また、当時はCB無線機も7機種(受信専用を含めれば8機種)載っており、(そのうちICB-87Rは21世紀初頭まで現行機種で、最後まで残ったCB無 線 機)。
ラジオたんぱ専用ラジオは、この時点で6機種(7機種)載っており、ICR-N7(標準価格9,600円、2005年3月現在現行機種,2007年時点絶 版),ICR-N1 (標準価格8,500円,2007年現在現行機種),ICR-N30(標準価格14,800円),ICR-4420(標準価格7,900円),ICR -N3(標準価格12,800円),ICF-EX5(標準価格15,900円,2007年現在現行機種)、そして山岳高層気象通報を聞くためにラジオ たんぱ第一放送のみ受信できる登山用ラジオICR-3000(標準価格9,400円)が載っています。
その他このカタログに載っていて現在でも現行機種としてカタログに載っている機種は,屋外作業用ラジオICR-S71(標準価格7,500円)がありま す。
、またこの当時からUHF,VHF,FM,AM受信可能なホームラジオICF-860V (標準価格10,600円)は2005年頃まで残っていました。
さて、以下本題
ICR-SW700 標準価格14,800円
局名タッチラジオ。3700〜17900kHzが受信可能。13mbが受信できないのが気になるが初心者には使いやすいラジオと当時言われていたと思う。
ただ、このラジオもしょせんは移行期のラジオだったようで周波数のメモリが増えたラジオが出ると数年でカタログ落ち。ただ、海外では地域によっては人気機 種だったようで日本より長く同等のラジオが販売されていた地域もあると記憶する。
なおこの機種は「ICR」の型番で分かるように(ICR=AM専用受信のICラジオ)FMの受信が出来ない。
海外向けの兄弟機種としては、ICF-SW800というのがあり、これはFM放送(88-108MHz)と短波(3.7-17.8MHz)が受信でき る。(中波放送は受信できない)。
ICR-SW700


ICF-SW20 標準価格12,800円
コンパクトなアナログチューニングラジオ。FM,MW,SW7バンド(75,49,31,25,19,16,13メーターバンド)の9バンドの受信が可 能。
現行機種で言えばICF-SW22に近い、(ICF-SW22自体後継機種になるだろうが)。





ICF-7601 標準価格16,100円
7600シリーズ最後のアナログチューニング機種。FM、MW、SW10バンドの12バンドの受信が可能。
短波は、120,90,75,60,49,41,31,25,21,19,16,13メーターバンドが受信できるので、使用する放送局が少ない11メー ターバンドを除く全ての放送バンド(当時)が受信できる。ただ、北朝鮮や中国などのオフバンド周波数で放送している放送局は受信できない。
アナログチューニング機なので、内部ノイズはほとんどなく、現在から見るとやや大きめ(当時としてはこれでも小さかった)筐体のため音質もなかなか良い。 アナログ短波ラジオの良さが味わえる事実上最後の機種。
なお、この機種の海外仕様では、SW1(120,90,75メーターバンド)の変わりにLW(長波)が受信できる(機種名はICF-7601L)がある。 内部改造すればICF-7601とICF-7601Lの相互改造は現在のPLLシンセサイザーラジオに比べると難しくない。
この機種も一部では最近人気が出ている模様。





ICF-7600DA 標準価格32,900円
大きな液晶画面でダイヤルポインターと周波数表示をあわせた機種。短波は12バンド (90,75,60,49,41,31,25,21,19,16,13,11メーターバンド)にFM、LW(長波、MW(中波)の合計15バンドの受信が 可能。短波の受信可能な周波数はICF-7601とそう変わらないし、感度もICF-7601より特に良いとは思えず(実際に使用した経験はないが)、大 きな液晶画面による影響も気になる。それにあと少し出せば、ICF-7600DS(既に1991年2月のカタログでは絶版)かその後継機種のICF- SW7600が買える価格というのもあまりこの機種には興味を抱けない。
ただ海外では国によってはICF-7700の機種番号で比較的人気があった国もあるらしい。最近でもICF-SW40は日本では不人気だったようで絶版に なった後も海外では現在でもICF-SW40を売っている例もあるので、このような機種が好まれる国もあるらしい。
日本ではこの機種はこの後しばらくして絶版。






ICF-SW7600  標準価格39,800円
ICF-7600DSの後継機。その後のICF-SW7600G, ICF-7600GS、そしてICF-SW7600GRへとつながる機種。
短波は1615〜29995kHzの連続受信が可能。SSB受信可能。
当時でも一般的な機種で、使いやすい機種だった。
ICF-SW7600


ICF-SW1S 標準価格46,000円
主に海外旅行などに使うコンパクトサイズのラジオ。専用ケースと世界中の電圧対応のアダプター付属。長波の150kHzから短波の29995kHzまでの 連続受信が可能。ただコンパクトにまとめすぎた関係でスイッチ類の操作がしにくいという欠点がある。海外仕様には、アクティブアンテナの付かないICF- SW1という機種がある。現在のICF-SW100Sは事実上のこの機種の後継機。
ICF-SW1S




ICF-PRO70 標準価格49,900円
長波(LW)150kHzからVHF(超短波)の108MHzまで連続カバー。この機種は一応短波帯でSSBまで受信できるが、どちらかというと広帯域受 信機の部類になるので短波放送を聞くのにはあまり適していない。
ICF-PRO70


ICF-2001D 標準価格66,000円
現在でも名機の誉れ高い機種。SONYの短波ラジオで最初に同期検波を採用した機種。長波〜短波の150〜29999.9kHzを100Hz単位でカ バー。混信がある場合の微調整なども容易。また現在のラジオよりもやや大きい筐体は、中波のバーアンテナの大きさやスピーカーの大きさにも貢献して音も悪 くない。当時としては多い32局のメモリや多彩なスキャン方式などは現在でも充分実用になる。プログラムタイマーは私自身はほとんど使ったことがない。日 本ではICF-2001Dは1991年の夏頃に絶版となったが海外ではICF-2010の型番でその後約10年の2000年頃まで現行機種だった。
現在でも人気が高く使用している人も多い機種。一部ではSONY短波ラジオ最後の名機とも言われている。
ただ、細かな機能などはやはり15年以上前の設計という事で気になる点もある。
ICF-2001D



CRF-V21 標準価格650,000円
この機種はラジオと言うよりは業務用受信機。受注生産機種であることもあり、実物は使ったことはおろか見たこともない。大きさは412×285× 169mm、重量は9.5kgあるのでまず持ち運びは不可能。船舶などに設置して気象FAXやRTTYによるニュースなどを受信してプリントアウトするな どの用途やラジオプレスなどでのモニター向けの機種になるのだろうか。
CRF-V21


おまけ
短波ラジオではないですが、
AIR-7 標準価格51,800円
エアバンド受信を主な用途にした受信機。
VHFエアバンドの108〜136MHz及びFM放送の76〜108MHz、AMの150〜2194kHzの受信が可能。
AMの受信周波数は、NDBなどの長波帯のビーコンや、船舶気象通報の周波数をカバーすることを考慮した周波数。
軍用機などが使うUHFのエアバンドの周波数をカバーしていないのが欠点か。
FM放送を受信できるようにするぐらいならUHFエアバンドが受信できた方がコンセプトとしては良かったと思うのだが。
AIR-7


アンテナ
アンテナは長波中波短波アクティブアンテナAN-1、長波中波短波アクティブアンテナAN-102、エアバンド用アンテナAN-3の3機種が掲載されてい ます。このうちAN-102は現行機種です。AN-3は中心周波数125MHz、BNCコネクタ接続のエアバンド専用アンテナです。AIR-7 (場合によってはICF-2001D)のエアバンド(FMアンテナも兼用)として使うためのアンテナでしょうが、アンテナメーカーのディスコーンアンテナ などに比べるとエアバンド専用と言うこともあるので一長一短でしょうか。
(余談)AN-1,AN-3とありますが、ではAN-2は何かというとFMチューナー用T型フィーダーアンテナ(税込定価578円)だそうです。ミニコン ポなどに付属で付いているアンテナとほぼ同等の製品ですね。
1991sonyant.jpg

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