SONYの1993年10月のカタログより
まず余談から始めますが、このカタログの裏にあるソニー商品販売店の欄に押してあるスタンプには「ダイイチ小倉本店」のスタンプが押してあります。電話番
号所在地とも変わらず現在は「DEODEO小倉本店」になっています。1997年4月に社名変更。現在は名古屋を地盤とす
るエイデンと事業統合してエディオンとなっています。この10年ほどの間に販売店の方も色々変わっているようです。
さて、このカタログに載っている機種ですが、
ラジオたんぱ専用ラジオは、ICR-N7(標準価格9,600円、2005年3月現在現行機種),ICR-N1
(標準価格8,500円,2005年3月現在現行機種),ICR-N30(標準価格14,800円),ICR-4420(標準価格7,900円)の4機種
にホームラジオとして載っているICF-EX5(標準価格15,900円,2005年3月現在現行機種)の5機種でいずれも1991年2月のカタログにも掲載されています。
ワールドバンドレシーバー(海外短波放送用短波ラジオ)は、ICF-SW33, ICF-SW7600, ICF-SW1S, ICF-SW30,
ICF-SW22, ICF-SW55, ICF-SW77, CRF-V21(在庫のみ), ICF-PRO70(在庫のみ)の9機種となっています。
これらのうち、ICF-SW7600, ICF-SW1S, CRF-V21, ICF-PRO70は、1991
年2月のカタログにも掲載されています。
また、ICF-SW22は現在のカタログにも載っている現行機種です。
ここではそれ以外の4機種について紹介します。
ICF-SW77 標準価格74,800円
1991年の夏に登場した実質ICF-2001Dの後継機種。つい最近まではカタログに載っていたが最近は載っていないのでついに在庫販売だけになった模
様。ICF-2001Dに比べると大きさはあまり変わらない、エアバンドが受信できなくなったが放送局の名前を記録できるようになったなどメモリも充実。
複数周波数を使う放送はもっとも電波の強い周波数を自動選択(ただこの機能は混信が強くても選択される欠点がある)。周波数ステップはICF-2001D
の100kHzステップより細かい50khzステップ。また、多機能と情報表示のための大型ディスプレイは内部ノイズの原因ともなる。機能を詰め込みすぎ
ていまいちになった感あり。実質在庫販売となった模様だが、現在(2004年頃の執筆時)でもまだ購入できるようなので新品で大型多機能短波ラジオが欲し
ければこの機種以外の選択
肢はない。
ICF-SW55 標準価格49,800円
普及タイプの7600シリーズ(この時点ではICF-SW7600)とフラッグシップとなるICF-SW77の間を埋める機種。受信周波数は
150〜29999kHz(1000Hz=1kHzステップ)。WRTHの1992年のベストレシーバーに選ばれたとの表記あり。この機種の大型液晶画面
に表示できる機能は短波受信に慣れた人から見るとある意味余計かもしれず、むしろ液晶画面に起因するノイズの方が気になるかもしれない。また、位置づけも
中途半端であまり勧められる機種ではない。
ICF-SW33 標準
価格28,000円
77,55,ときて33、1990年代前半に出た機種のシリーズでは廉価版の部類に入る。大きさが比較的小さめなので持ち運びに便利か。
短波の受信バンドは、75,60,49,41,31,25,21,19,16,13,11メーターバンド。49メーターバンドや41メーターバンドのオフ
バンドで送信される北朝鮮の日本語放送などオフバンドの放送が受信できない。
ICF-SW30 標準価格19,800円
このカタログでNEWと載っており1993年の新型機種。日本での位置づけはICR-SW700(局名タッチラジオ)とICF-7601(アナログチュー
ニング機)の統合後継機種といったあたりか。75,60,49,41,31,25,21,19,16,13メーターバンド。やはりこの機種も49メーター
バンドや41メーターバンドのオフバンドで送信される北朝鮮の日本語放送などオフバンドの放送が受信できない。当時はこの値段で周波数デジタル表示のラジ
オが買えるのかと思ったが、現在考えるとICF-7601の後継機種として放送バンドは全て受信できるアナログチューニングの短波ラジオを同じ値段で開発
した方がICF-SW33との差別化の意味でも良かったのではないだろうか。ICF-SW30とICF-SW33では定価の差ほど機能の差を感じないか
ら。
。
なおアンテナは、1991年2月のカタログと同じAN-102, AN-1, AN-3の3機
種が掲載されています。
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